ひかるのおにわ

御剣ひかるの日常と、子供達のこと

本当にかけていた

 おやつタイムが終わって、ボウズがわたしに言った。
「きょうのおやつはおいしかったから、せんせいにおいしいっていったの」
 あれ? 幼稚園でおやつタイムなんてないよね? 今日はお弁当だったし給食についているデザート、というわけでもない。
 腑に落ちないが、あぁきっとおやつがおいしかったことを明日言うということかな、と思っていたのだが。

 幼稚園の担任の先生から電話がかかってきた。
「さっきボウズくんからお電話があったと事務室にいる先生から聞いたのですが……」
 先生の、ちょっと疑ってますよー、という声。
 園児が電話をかけてきたというのが信じられないようだ。

 しかしわたしは、ボウズが幼稚園の名前を読めるのを知っているし、機械に強いことも知っている。
 ボウズは登録している幼稚園の電話番号を探し当てて、実際に電話をしたのだ。
 うわわわわーー!
 もう先生には平謝りだよ。忙しい時間帯に煩わせてしまった。

 そしてボウズには、どうしても必要な時にだけ電話をするものだ、と言っておいた。
 ボウズにしてみたら、とってもうれしかったから先生に伝えたかったんだろうけどね。園児がみんなそんなことで電話をしたらえらいことだ。マンモス園だしねぇ。
 やれやれ。むちゃ恥ずかしかった。

 夜に判明したこと。
 ボウズは短縮ダイヤルを使ったのではなく、じぃちゃんの部屋の壁に貼られていた幼稚園の電話番号を見て、自分でプッシュしてかけたのだった!
 さらに、以前ダンナの携帯にかけた時も同じようにしていたらしい。
 うわ。幼稚園名(漢字)を読めるのは知っていたが、「○○(パパの名前)携帯」を読めるとはっ。
 まぁ漢字を覚えているというよりは、形で覚えているんだろうけどね。
 侮りがたしボウズ。