ひかるのおにわ

御剣ひかるの日常と、子供達のこと

名前で呼びたいらしい

 ちょっとずつ言葉が増えてきたボウズ。また、言葉には出さなくても体の部位などは着実に覚えてきているようだ。ほんと、覚えだすとすぐだねぇ。少し前まで体の部位などぜんぜん指差せなかったが、今はとりあえず頭、目、耳、鼻、口、ほっぺ、おなか、あんよは理解しているようだ。中でもほっぺ、というと両手のひらでほっぺをはさむ。「ブラックジャック」のピノコちゃが「アッチョンブリケ」をしているような格好で笑える。
 言葉も、新たに救急車を「ピーポーピーポー」、乗用車を「ブー」というようになった。

 それでも「ママ」とは言わないボウズ。
 ダンナが、そのわけを推測してくれた。
 彼曰く、「ママではなく、てりこ(←本当は本名が入る)と呼びたいんじゃないか」だそうだ。
 指を怪我しているのでおととい、昨日と、ダンナにお風呂を任せていたのだが、わたしを呼ぶときに「ママ~」というとにこにこしながら、しかし無言で風呂の入り口を見つめるだけのボウズが、「てりこ~」と呼ぶと笑顔で「り~(←やっぱり本当は本名の一部)」というらしい。

 ボウズの中では「てりこ=ママ」の図式は成り立っている。子供は大人の真似をしたがる。ダンナもお義父さんも、わたしへの呼びかけは名前。なのでボウズも名前で呼びたいのだ。とダンナは言う。

 ためしに、「てりこは?」というと、ちゃんとわたしのところにやってきた。
 ……ダンナの推測は当たっているのかもしれない。
 ボウズの近未来はクレヨンしんちゃんか?