ひかるのおにわ

御剣ひかるの日常と、子供達のこと

幼い日の浅知恵

ボウズは相変わらずのんびりペースで宿題をしている。
今日は読書感想文を書くんだそうな。しかしムスメに邪魔されたから集中力がなくなった、とすぐにやめている。
こんなペースで大丈夫? でも後で焦っても手伝わないからね。それに、ひとりでじぃじばぁばのところに泊まりたかったら宿題は終わらせてからだよ。

さて、いつまでも覚えているもの、というものが誰にでもあると思うが、わたしはとある数字だ。
わたしは昔から数字を暗記するのが得意で、電話番号など、友人数十人のを丸暗記していたものだ。今でも十年ほど前に退職した職場の内線番号を少し覚えている。

先日、ダンナとボウズが話していて、5322という数字が出てきた。
そこでふと思い出した。小学校3年生の時に記憶した数列を。
わたしがいまでも覚えているのは「532230」と「280296」だ。これは掛け算の答えなのだ。

わたしは親から誕生日プレゼントというものをほとんどもらったことがない。子供にやたらと物を与えないという親の教育方針のためだ。今思えば貧乏だからプレゼントを買う余裕がなかったので、そういうもっともらしい理由をつけていたのかも知れないのだが(笑)。
で、そんな中で、小学校2年生の誕生日に(奇跡的に)「さんすう博士」というものを買ってもらった。
加減乗除の問題が出てくるという学習機。問題のレベルは5段階ぐらいあっただろうか。
掛け算だと、一番やさしいのは九九だ。一番難しいのだと3ケタ×3ケタぐらいだっただろうか。筆算しないととけないよね。
で、小学校2年生のわたしは、初めてと言っていい誕生日プレゼントをいたく気に入って、ずっと計算の練習をしていたものだ。
時が流れ、小学校3年生に進級して、ケタが増えた計算もだんだんできるようになってきた。
しかしまだ3ケタ×3ケタの計算は難しい。

わたしはふと考えた。これをすらすら解けるのを友達に見せて驚かせよう、と。
で、一番難しいレベルの掛け算の答えを覚えたのだ。
532230と280296は、その1問目と2問目の答えだ。
いまでも覚えている、30年前の計算の答え。問題は当然忘れたが(笑)。

ちなみに、友達にはすぐに「丸暗記だ」というのがばれたというオチもある。

5322という数字を聞いて思いだした、小学校の浅知恵であった。