ひかるのおにわ

御剣ひかるの日常と、子供達のこと

人の気持ちが判らない

 そろそろ部屋が乾燥してくる時期なので、ちょっとした洗濯物を部屋干しするのだが、その最中にボウズが寝室にやってきて、電気を消してしまった。
 ボウズは寝る時間だから電気を消したという意識でしかない。悪気はない。
 でもそばで母が洗濯物を干していて、電気を消したら暗くなるから困るだろう、という考えには至らないのだ。
 その「悪気はないのに結果的に人に嫌がられることをしてしまう」のが今のボウズの課題。
 人の立場や気持ちに気付き、考えて行動し始める年齢なのに、その面が弱い。
 もちろん、ボウズは優しいし、優れているところもたくさんあるが、どうしても対人関係で大きなトラブルを招きかねない要素なので無視はできない。
 どうして相手が怒ったのか、そう言う時はどうすればよかったのかを、怒ったりするのではなく、これからは根気よく教えていかないといけないな、と思った。

 大人でもいるよね。「自分はこうだから」という主張をごり押ししてくる人。
 そういう人には、なってほしくないな。
 悪気がないからと何をしていいわけではない。
 もしかして自分が相手にとっての「地雷」を踏んでしまうのかも、と省みる人はまだいい。人を傷つけずに過ごせる人なんていないのだから、せめてそれが少なくあればと思っているのだし。
 一番厄介なのは「自分はこういう性格だから」と開き直ってしまっている人だとわたしは思う。
 かつての友達で今はもう交流はないのだけれど、「自分は人に嫌われるたちだけど、これがわたしだから仕方がない」と開き直っているような人がいた。
 どうしても馬が合わない人はいるものだ。でも多くの人とトラブルを起こす人には、やはり何かしら大きな原因があるんじゃないかな。それを省みないで「自分はこうだから」と言うのではね……。自分を確立しているのと、我を通すのはまた違うのだ。
 ボウズはこれから先、同級生や先輩後輩の中で大なり小なりこのようなトラブルに見舞われるかもしれない。
 でもその時になにがトラブルの原因だったのかを考える人になってほしい。自分だけで答えが出ないときは誰かに尋ねたっていいのだから。