ムスメは周りをよく見ている。
例えばボウズが叱られている時に傍にいると、自分まで叱られているかのような神妙な顔をしている。そしてじぃっとなにが起こっているのかを見ているふうでもある。これは「ああしたら叱られるんだな、気をつけよう」と反面教師にするタイプだ。だいたい二人目以降って要領がいいって言うけれどこういうところだよね。
さて、ムスメは犬が好きで、犬が載っている絵本を喜んで見る。「ももたろう」や「はなさかじいさん」などがお気に入りだ。
しかし「はなさかじいさん」は犬が途中で殺されてしまう。
そのシーンをムスメが見ると、それまで「ワンワン♪」とはしゃいでいたのが一変。「あーあ」とか、犬が倒れているイラストを指差して「ねんね……」ととっても淋しそうに言うのだ。
まだ「死」は理解できないにしても、犬がよからぬ扱いを受けているということはイラストの雰囲気で理解できているのだろう。
とある研究では、赤ちゃんは生後半年でもう善悪の判断ができるようになるという。二人が仲良くしている絵と、喧嘩をしている絵を見せると、赤ちゃんは誰が教えたわけでもないのに、仲良くしている絵を喜んで見る、というようなことがレポートされていたのをふと思い出した。
仲良きことは素晴らしきかな。
本能に刷り込まれているんだね。