ひかるのおにわ

御剣ひかるの日常と、子供達のこと

贅沢のかぎり

 20時前に実家にいるボウズから電話がかかってきた。
 開口一番「パパにかわって」とはひどいもんだ(笑)。
 パパに言いたいことだけ言って、ボウズは母と代わったらしい。少しして電話を切ったダンナ。
 ボウズは明日、夕食までご馳走になって帰ってくるらしい。しかも「やきにくたべたい」とか贅沢なことをほざ、いや、言ったようだ。きっとこちらにくる途中にある、結構豪勢な焼肉屋に連れて行ってもらうつもりなのだろう。

 どうやら実家で満足しているらしい。遊ばせてもらったことや、夕食がおいしかった、とメニューまで教えてくれたボウズ。そりゃ親の目のないところで好きにできるのは嬉しかろう。たまにはこんな贅沢をさせてあげるのもいいよね。

 しかしボウズのいない家って静かだ。いかに普段彼がしゃべくりまくって、何かの音をたて続けているのかがよく判る。
 まぁわたしら夫婦もよくしゃべるからね。遺伝というか、環境がそう育てたというか。
 でも思春期になったら、今これだけ話しているのが嘘のように寡黙になったりしてね。

 そんな話をしていて思い出したのだが、わたしの父は、母と結婚する前や、わたし達が小さかった頃はとっても寡黙な人だったそうだ。そういや子供の頃ってあんまり父と楽しく話した記憶はない。いろいろと遊んでもらった記憶はあるのに。父は結構怖い存在だった。
 それが姉やわたしが思春期を迎える頃は、もううるさいぐらいに話す人になってた。
 何が父を変えたのだろうとダンナに言うと。

「ただでさえ女三人に男一人なのに、よくしゃべる子供達を前にして黙っていたら、存在感がなくなるからじゃない?」

 なんか何気にわたしら姉妹が酷い言われようだがそれはいいとして(笑)、なるほどそうかもしれないね。