ボウズのお迎えの時間。
朝の雨がうそのように晴れている。あれから6時間経った景色は、まるで雨など降らなかったかのよう。アスファルトは乾き、増水していた川はすっかり水が引き。ただ、わたしのサンダルだけが水をたっぷりと吸っていてあのときの土砂降りを物語っている。
さて、ボウズを連れて帰る頃にはムスメは寝ていて、お義父さんは外で塀のペンキ塗りをしていた。
ムスメはお兄ちゃんの声にすぐに起きて、ぐずったが、まずはボウズの着替えなどを済ませる。服はパンツも含めてみんな幼稚園から借りていたよ。まああれだけ濡れればね。
お義父さんがペンキ塗りを中断して家の中に入ってきた。
すると、外ではざぁっと雨が降り出した。
なんというタイミングだろう。
しかし、それまで晴れていたのに急に雨とは。お義父さんは「この雨男め。おまえが帰ってきたからだ」と笑いながらボウズに言っている。
本当にそうかもしれないと、天候操作を特技に持つ母は思うのであった。