ひかるのおにわ

御剣ひかるの日常と、子供達のこと

気づけてなかった

 ボウズが学校でクラスメイトから暴言や暴力を受けていた。
 1学期にボウズに相談されて、先生に言って仲裁してもらうよう言ってからは、とくに大きなこともなかったし、学校のことを尋ねても何もなかった、楽しかった、と言っていたので信じていたし、おさまったものと安心しきっていた。

 それが、今日ボウズが帰ってきて、何か言いにくそうにしているから尋ねたら、前からそういう目にあっていた、と。それで今日、耐えきれなくなって学校で先生に泣きついたそうだ。文字通り泣いて訴えたみたい。
 なんでそこまで我慢したのか聞いたら、迷惑かけたくなかった、と。
 親はどうあっても子供の心配するもんだ。そう言うところは遠慮しなくていい、というかするな。と叱った。
 けれど、よく頑張ったね、辛かったね。気づけなくてごめんね、と言ったらボウズは恥ずかしそうにしていた。

 まず学校で何があったのか聞いてみたら、きつい暴言と軽度の暴力が時々あったそうだ。今日の放課後に話しあいが持たれて解決したらしい。相手からの謝罪もあったようだ。
 で、先生にも「もっと早くに言ってね」と叱られたんだって。
 一応解決したようで、よかった。

 その後、学校から電話があって、先生が直接今回のことについて報告したい、ということなので家に来ていただいた。
 一通りの経緯の説明と対処を聞いた。
 学校はよくやってくれたと思う。

 今にして思えばあれがサインだったのかな、ということはいくつかあって、家族も先生方も気づけずに、ボウズに辛い思いをさせてしまったと反省しきりだ。
 これからは学校でもボウズや相手側のことをもうちょっと注意深く見るようにします、と言っていただけた。

 先生方が帰ってから、泣けてきた。

 でも、ボウズがどうにか自力で相手と仲良くやろうと頑張ったことも、大人達に気づかせまいとして今日まで隠し通せたことも、そういう悩みを抱えつつも勉強や部活を頑張れたのも、大人になったんだな、と嬉しくもある。

 こっちは、いろんな複雑な思いでいるのに、当の本人は、すっかりのほほんとしていていつも通りだ。
 ちょっと、ほっとした。
 明日からまた、いつも通り頑張って行こう。