ひかるのおにわ

御剣ひかるの日常と、子供達のこと

「サーラの冒険」シリーズの完結

 確か、わたしがこのシリーズの1作目を読んだのは、まだ大学にいたころだ。大学に入っている書店で並べられているのを見つけて、何の気なしに手に取った。
 「ソードワールドRPG」というTRPGの世界観にのっとって書かれているファンタジー小説で、「冒険心」をくすぐられるものであった。
 そのうち、2作目、3作目と発売されて、それらもすぐに購入して読んだ。

 さて、今回で6作目となる最終話。
 正直、期待していたほどのものではなかった。なんというか、主人公の年齢と行動、ものの考え方にどうしてもギャップを感じてしまったのだ。あれは13歳の少年の、しかも2年ほど前まで普通に生活していた少年のものの考え方じゃないよ、などと思った。
 さらに、物語の中での時間経過が短すぎる。5話と6話の間に最低でも3年くらい間があれば、その間での主人公の成長ということで納得出来たろう。自分の存在や今までの行動を悔やむほどの事件が起こったのに、半年であそこまで気持ちが切り替わるものなのか?
 先に述べたとおり、これは「ソードワールド」の世界観にのっとった小説である。その世界観の中での大きな事件と抵触しないように、その年月で収めてしまったのだろうというのが伺えて、それも、なんだかなぁと思わせる原因の1つだったともいえる。

 話としては、収まるところに収まったといった感じである。あのエンディングを手放しで受け入れる読者様もいらっしゃることだろう。
 ちょっと不満を感じたのは、あくまで、わたしの考えである。